1995年乳がんは、女性の癌罹患率の一位になり2004年には、乳がん患者数4万人/年・死亡数1万人/年を超えました。
日本女性のライフスタイルの変化(高カロリー、高蛋白、高脂肪食の摂取、結婚年齢の高齢化、
未婚女性の増加、少数出産、高齢出産の増加など)、体格向上にともなう初潮の低年齢化、
閉経の高齢化などにより乳癌罹患率が上昇していると考えられています。
その対処が重要になってきています。
まだ癌になるのを予防することは現在の医学では できませんが、なったとしても死ぬということを防ぐことはできます。 乳癌=死ではないのです。ここ20年で乳癌の診断と治療は格段に進みました。
しかし治すためには早期で発見し早期のうちに治療することが大事です。 そのためには自己検診が一番重要です。乳癌は他の部位の癌とは異なり自分で見つけることができます。 ぜひ自分で乳房の検診をしてみてください。おかしいなと思ったら当クリニックへ足を運んでください。
最近は検診も普及してきましたので、2年に1回の自治体等の検診を受けることをお勧めします。しかし、その間にも出現することがありますので自己検診が大事です。
自己検診は生理後一週間以内にあるいは閉経後の人は
月に一回仰向けになって
乳房全体をみてくださいといわれて
いますが、それができる人はそうはいないと思います。
そのかわりに、入浴時には手に石鹸をつけて胸全体をていねいに洗う
ことをおすすめします
(乳癌は乳房のどこにでもできますので)。
普段の自分の乳房が分かっていればしこりができたときにすぐ分かると思います。
異常を見つけたら検診ではなく乳腺外来のある施設に行くことをおすすめします。
基本は触診、マンモグラフィ(乳房レントゲン検査)、超音波検査、吸引細胞診です。
これで診断をつけたのち癌の広がりを診断するために
CT、MRI、骨シンチなどを行います。
また乳頭分泌症に対しては乳管造影、乳管内視鏡を行います。
大きさ、広がりの範囲によって治療法がかわってきます。
基本は手術であって、放射線療法、化学療法(抗癌剤治療)、
抗女性ホルモン剤の組み合わせとなります。
- 手術
乳房全体をとる手術(乳腺切除術)と乳房の一部をとる手術(乳房温存術)があります。 いずれの手術療法の場合も脇の下のリンパ節を全部もしくは一部をとります。 乳房温存手術の対象は3cm以下が推奨されています。 - 放射線療法
乳房温存術との併用、再発時の局所療法として行います。 - 化学療法
乳癌は抗癌剤がよく効く癌の一つです。 また手術後に化学療法を併用することによって再発の約1/2を減らすことが 分かっています。したがって手術後に抗癌剤治療を行います。 また再発が判明した場合も化学療法を行います。 - 抗女性ホルモン剤
乳癌細胞は女性ホルモンに対する感受性をもっていて女性ホルモンによって 大きくなるという性格をもっています。 その感受性の程度は人によって違いますが手術時の癌組織を調べ 感受性がある場合には抗女性ホルモン剤による治療を併用します。 再発が分かった場合も使用します。 - 分子標的治療薬
HER2タンパク過剰発現の方に使用します。2008年から術後補助療法でも使用可能になりました。
治療にはどうしても合併症、副作用はつきものですがそのメリット、デメリットにより 判断されるものであると思います。
- 手術
脇の下のリンパ節をとる関係で手術をした側の腕の腫れがおこったり、 しびれがおこったりします。手術をした部位のしびれや違和感、痛みなどがあります。 - 放射線療法
放射線のあたった部位に皮膚炎がおこる程度でほとんど副作用はありません。 髪の毛も抜けません。 - 化学療法
吐き気、食欲不振といった消化器症状、全身倦怠感、白血球の減少といった 造血器障害、脱毛といった副作用が主です。薬によってはしびれ、筋肉痛といったものも おこります。こういった副作用は一時的なもので、また薬によっても人によっても その程度には違いがあります。最近では副作用に対する対処方法も進んで かなり軽減することができるようになりました。 - 抗女性ホルモン剤
ひどい副作用はありませんが更年期症状がでることがあります。 また生理不順になったり、おりものが増加する場合があります。 - 分子標的治療薬
心臓に悪影響になることがあります。
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